再現性のある営業組織とは?
「営業組織が属人的で、一部の営業パーソンしか売上を上げていない」
「適切なKPI管理ができていない」
「新卒や中途採用者のオンボーディングがうまくいかない」
といった悩みを持たれている営業組織の責任者や経営者の方は多くいらっしゃいます。
そこで、本記事では再現性の高い営業組織がおこなっているデータドリブンな営業プロセスの改善方法を解説します。
本記事を読んでいただくと、
目指すべき再現性のある営業組織とは具体的にどんな状態なのか
KPI設計と管理方法
について理解でき、すぐに実践することができます。
本記事が貴社の営業組織を再現性のある状態に変革し、売上アップのきっかけとなりましたら幸いです。
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営業組織と再現性
営業組織の役割と重要性
そもそも営業組織にはどのような役割があるのでしょうか。
1つは「売上の創出(顧客への価値提供)」です。
アメリカ合衆国の起業家・投資家で、PayPalの創業者であるピーター・ティール氏(Peter Andreas Thiel)は、
「差別化されていないプロダクトでも、営業と販売が優れていれば
独占を築くことはできるが、逆のケースはない」
と述べています。
確かに、どんなに画期的で優れた商品でも、売る人が商品の魅力を上手く説明できなかったり、こちらの意図を汲み取ってくれなかったりすると「買いたい!」と思いませんよね。
営業組織の営業力は、その企業の売上に大きな影響を与えるのです。
2つ目は「顧客のニーズを拾い上げる」ことです。
アメリカ合衆国の起業家・投資家で、Amazon.comの創業者のジェフ・ベゾス氏(Jeffrey Preston Bezos)は、
「もっとも重要なことは、執拗なまでに顧客にフォーカスすること。
アマゾンにおける我々の目標は、地球上でもっとも顧客中心主義の会社になることだ」
と述べており、Amazonはこの考えの下、現在でも売上を上げ続け、事業規模は10年で10倍になっているので、とても説得力がありますね。
顧客が今何を欲しているのかを汲み取り、商品やサービスに活かすことは企業活動において非常に重要であり、顧客の声を直接聞く機会が多い営業はその一翼を担っています。
以上のように、営業組織は事業運営において重要な役割を担っており、現在世界のトップランナーとなっている企業は早くからそのことに気づき、改善・強化し続けています。
営業組織における「再現性」とは?
営業組織は企業の最大の目標である「利益をあげる」ことに直接関わっており、とても大切な存在です。
では売上を上げ続けることができる強い営業組織と、そうでない営業組織とでは何が違うのでしょうか。
それは「再現性」です。
「再現性」という言葉を辞書でひくと、「同一特性が同一の手法により発現するとき、その結果の一致の近さのこと」と書いてありますが、イメージしづらいのでもう少しかみ砕くと、
特定の手法で特定の性質を持つ結果が出る
その結果の一致度が近い
という意味です。
これを営業組織にあてはめて考えると、以下のようになります。
特定手法で特定の性質を持つ結果が出る
→どの営業パーソンでも同じやり方で、結果を出すことができる
その結果の一致度が近い
→営業パーソン間で営業成績の差が小さい
つまり、売上を上げ続けることができる強い営業組織ほど、
「再現性」=「どの営業パーソンでも同じような結果を出すことができるやり方をもっている」
のです。
再現性が高い営業組織と低い営業組織の特徴
先述の通り、強い営業組織は再現性が高い傾向にあります。
具体的には
組織で最適化された営業プロセスやKPIが定められているため、行動と結果の因果関係が明確
各人のパフォーマンスが高いレベルで均一
お客様と接触する機会(接触面積)が多く、営業の質(データの記録・営業計画の立案・実行)やナレッジ共有の水準が高い
という特徴が挙げられます。
このような営業組織の場合、多くの営業パーソンが成果を出せているので、人員規模に比例して売上が増加します。
また、能力要件の高い優秀層を採用しなくてもよいため、採用コストを大幅に下げることができます。
反対に、再現性の低い営業組織には以下のような特徴があり、営業人員を増やしても比例して売上が上がりづらい傾向にあります。
- 各人のパフォーマンスや売上にばらつきがある
- 組織で最適化された営業プロセスやKPIが無いため、行動と結果の因果が不明
- お客様との接触面積・営業の質・ナレッジ共有の水準が低い
こういった企業がさらに売上を拡大させるためには、能力要件の高い優秀層を採用する必要がありますが、高い給与を支払わなければならないなど採用コストがかかってしまいます。
上のようにコストをできるだけ抑えつつ、売上を上げ続ける強い営業組織にするためには、再現性を高める必要があります。
では、どうすれば再現性を高めることができるのでしょうか。
次の章で詳しく見ていきたいと思います。
再現性を高める方法とは?
営業組織の再現性を高めるうえでポイントになってくるのがKPIです。
KPIとは「Key Performance Indicator(重要業績評価指標)」の略で、
「目標達成までの中間プロセスに置く数値目標」のことです。
KPIには以下のような役割があります。
目標達成までの進捗を可視化する
目標達成に有効な行動を明確にする
目標達成に必要な行動量を明確にする
KPIを適切に設定した場合、具体的にどのような効果があるのでしょうか。
KPIが十分に設定されている営業組織を例に見ていきたいと思います。
下図は十分に設定されている営業組織のKPIをフローチャート形式で表したものです。
フローチャートの上段には「電話でPRした数(TEL PR数)」「アポイント数(アポ数)」など、売上目標の達成までに営業パーソンが取るべきおおまかなアクションがKPIとして設定されています。
ここまでは多くの企業の営業組織内で設定されていることが多いです。
KPIを十分に設定している営業組織ではそれらに加え、上段のKPIを達成するためにとるべきアクションのKPIが設定されます。
例えば「TEL PR数」というKPIの場合、そのKPIを達成するためにはまずは架電しないといけないですよね。
また、いくら架電しても通電しないとお客様にPRすることはできないので、「TEL PR数」を達成するためのKPIとして「架電数」「通電数」も設定する必要があるでしょう。
このようにKPIを細分化して設定することで、「100件のTEL PR数を達成するために150件の架電をしよう」など目標を達成するために取るべきアクションと量が明確になり、どの営業パーソンでも同じような営業活動をすることができるようになります。
さらに、各KPIを達成する過程で得られたデータを記録し、どういうアクションが足りていなかったのかを分析して今後の計画を立てることもできるようになります。
例えば「受注数」というKPIが達成できなかったとき、KPIが十分に設定されていれば1つ前の「案件化数」や、下段の「上長同席率」「差別化提案数」も未達で、それが「受注数」を達成できなかった要因であるとすぐにわかるので、営業部長やマネージャーも改善指導をしやすくなります。
また、フローチャートの下段のKPIが達成できているにもかかわらず、上段のKPIが未達なのであれば、下段に必要なKPIが抜けていると判断でき、上段のKPI達成のためのKPIを新たに設定したり、すでにあるものを修正したりすることもできます。
このようにKPIを設計・分析して計画を立て、実行し、そこから得られたデータを記録して今後の計画を立てるというサイクルを回し続けることで営業の質や再現性が高まっていきます。強い営業組織を持つキーエンス社などでは、これが上手く機能しています。
一方KPI設定してない場合、営業パーソンがどのようなアクションをとったのかが分からない状態、いわばブラックボックスになっているため、目標を達成することができなかった際にどこを、どうのように改善したらよいのかを見きわめることができません。
KPIの設定が十分でない場合も同じです。
これでは営業の質や再現性を高めるサイクルを上手く回すことはできません。そのため、人員を補充するなどリソースを投下したとしても、「思ったよりも結果が出なかった...」という事態になりかねません。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
再現性のある営業組織がなぜ大切なのか?どのような特徴を持っているのか?どのようにすれば作ることができるのか?を中心に解説いたしました。
再現性のある営業組織を作る方法の詳細はこちらの記事に記載しておりますので、ぜひ、ご覧ください。
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