「PDCAサイクル」活用のポイント|営業マネージャー編

「PDCAサイクル」は登場してから70年以上の年月が経った現在でも、業務改善や効率化などを図る上でよく活用されるフレームワークです。

しかしながら、

・適切なPDCAサイクルの回し方がわからない
・自社の営業組織でPDCAサイクルが回っていない

というお悩みも多いのではないでしょうか?

本記事では、営業活動においてPDCAサイクルを回すことのメリット、手順、PDCAサイクルを回すポイントなどを紹介します。

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INDEX目次

営業活動におけるPDCAとは

PDCAサイクルは、今から70年以上前に提唱され、主に製造業において品質管理の手法として普及したフレームワークです。しかし、その有用性・汎用性から、現在では製造業を含めたさまざまな業界で活用されるようになりました。変化が激しく、不確実性の高い現代では「もう使えない」という見方もありますが、シンプルなプロセスを改善する場面などでは、依然として有効です。次段から詳しく解説します。

PDCAサイクルの目的 

PDCAサイクルは、「Plan-Do-Check-Act」の頭文字を取ったものです。これら「計画→実行→評価→対策・改善」という4つのプロセスを繰り返すことで、業務の最適化、業務効率・生産性の向上などを図ります。

PDCAサイクルを利用する目的は、目標設定を起点として一連のサイクルを回し続けることによって、継続的に業務改善を図ることです。

営業目標が達成できない要因はPDCAにある!?

営業目標を達成するためには、適切にPDCAサイクルを活用することが欠かせません。逆に言えば、もしも不適切な運用をしていると、営業目標が達成できない要因のひとつになり得ます。

PDCAサイクルの起点となる「Plan(目標設定)」は、現実的かつ数値で測れるものを選定しましょう。高すぎる目標や精神的目標といったものを据えるのは不適当です。また、「Do」の段階が不十分であれば、営業担当者全体としてのスキルを高める対策を取る必要があります。

さらに、「Check」の評価がきちんとなされておらず、目標達成を阻んでいる要因を分析しきれていなければ、何度も同じ問題が発生するかもしれません。最後に「Act」では、フィードバックを基にした改善策を着実に実行する必要があります。

目標達成のためにPDCAサイクルを活用するのであれば、これらのポイントを踏まえて、適切な運用を行いましょう。 

PDCAの手順

続いて、PDCAサイクルの詳しい手順を、それぞれの段階ごとに解説していきます。

PLAN

PLANは、目標と計画を立てる重要なステップです。まずは、企業戦略やビジョンも考慮しながら、PDCAサイクルを回す目的とゴールを明確化しましょう。適用させる範囲(部門、チームなど)、PDCAサイクルを回す上でのリスクと制約、タイムラインも決めておく必要があります。その後、KGI(Key Goal Indicator:重要目標達成指標)・KPI(Key Performance Indicator:重要業績評価指標)を設定しましょう。

その際は、5W1H(誰が・何を・なぜ・どれほど・いつまでに・どのように)を考慮しながら、目標と達成期限を定めてください。目標設定にあたっては、SMARTの法則も参考になります。これは、企業戦略と一致した、具体的で達成可能な、測定できる数値目標に加え、達成までの期限を定めるフレームワークです。

数値目標としては、以下の項目がよく選ばれます。

・売上高

・利益

・利益率

・成約(受注)件数

・リード件数

・リピート率 など

顧客満足度などの数値にしにくい項目は、フィードバックなどを通して間接的に数値化しましょう。

DO

Doは、計画に沿って行動計画を実行する段階です。その際は、各行動を客観的に評価できるよう、数値でデータを記録しましょう。計画どおりにいかなかった点も、同じく記録しておいてください。

なお、PDCAサイクルは一度で終わりではなく、段階的に改善していく取り組みです。そのため、はじめに立案した計画は「試す」感覚で行いましょう。

CHECK

Doで実行した行動を振り返り、評価します。定量的にデータを測るだけでなく、計画どおりにいった点/いかなかった点、計画が妥当であったかどうかという点も評価しましょう。そして、成功・失敗の要因を詳しく分析します。

ACTION

分析した結果を踏まえて、具体的な改善策を考えます。この改善策も、目標と同様になるべく具体的で測定可能なものを設定しましょう。どれくらいの効果が期待されるのかも数値にします。 そして、最終的な目標の達成期限を意識しながら、必要に応じて次回以降のサイクルを回し続けることが重要です。

営業活動においてPDCAサイクルを回す際のポイント

次のポイントに気を付けてPDCAサイクルを回すことで、効果を最大化しやすくなります。

PDCAを回す目的を明確にする

まずは、目的・目標を明確化する必要があります。具体的に何を改善したいのか、という点です。これらが曖昧なまま稼働しても、「PDCAサイクルを回すこと」そのものが目的となって、各プロセスが形骸化してしまいかねません。こうなると、各チームメンバーも「余計な業務が増えた」とネガティブな感情を抱き、協働をすることは難しくなります。

営業マネージャーとしては、PDCAサイクルを回すことで業務改善につながり、結果的にチーム全体に利益があることを、丁寧に説明しましょう。

改善策は定量的なものにする

Actionの段階で目標を再設定する場合には、定量的なものにしましょう。これは効果の測定と検証をしやすくするためです。効果測定をする場合は、SFA(営業支援システム)を導入すると、データの収集・分析がより容易になり、受注確度や売上の予測などの精度も向上します。

本質的な原因を特定する

「根本原因分析(Root Cause Analysis : RCA)」などを用いて、問題の根本的な原因を探りましょう。例えば「商談の成約率が悪い」という課題があれば、強引に成約を目指すのではなく、「なぜ?」を問い続けながら、隠れた問題を探します。具体的には、「契約書の取り交わし方が煩雑なのでは」「無理に契約を迫っているのでは」「不安要素が解消できていないのでは」などの検証を重ねる形です。そうして得られた仮説を基に再度PDCAサイクルを回せば、複数の隠れた問題が発見されることがあります。

改善に成功した点にもフォーカスする

改善に成功した点を分析し、要因を理解することも大切です。その点をより強化することで、独自の強みとなります。また、成功要因を別のプロジェクトやROI(投資収益率)の評価などに再利用することも可能です。ポジティブな変化があったという事実を組織全体で共有することは、関係者のモチベーション向上にもつながります。

目標達成におけるマネージャーの役割

営業マネージャーの役割は、経営戦略を踏まえた上で、営業面の業績をチーム全体として向上させることです。そのために、各営業担当者の行動分析、各案件の管理を行いましょう。各案件や目標達成に向けた進捗が芳しくない場合には、リカバリーできるように先んじてサポートすることも欠かせません。各案件の優先順位と各営業担当者の適性を踏まえて、適した割り振りを行うことも大切です。モチベーションの管理も非常に重要です。

PDCAを回して営業目標を達成しよう

PDCAサイクルは歴史のあるフレームワークですが、今なお業務改善を行う上では有用です。適切に活用し、計画から改善に至るサイクルを繰り返すことで、業績や生産性の継続的な向上につなげていけます。その際は、目標などを定量的に測定・評価した上で、成功/失敗の要因などを詳細に分析することが欠かせません。SALESCOREなどの営業支援ツールも活用し、データ・情報の利活用を進めてください。

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