三井ホーム株式会社

二重三重の帳票管理から、全国統一の共通言語へ。同じ数字を見ることから始まった、9拠点の「学び合い」

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三井ホーム株式会社は、「木造建築で人々を幸せにできる会社」を目指す注文住宅の設計・施工・販売を全国で展開するハウスメーカーです。注文住宅は1件の検討期間が数ヶ月に及ぶこともある大型B2C商材。B2Bとは異なるリードの性質と長い商談サイクルのなかで、インサイドセールス(IS)とフィールドセールス(FS)の分業体制を構築することは、ハウスメーカー業界ではほぼ前例のない挑戦でした。そのなかで三井ホームはいち早くこの変化を取り込み、マーケティング部門の中に「フロントセールスグループ」を設置。問い合わせからアポイント獲得までの営業プロセスを担うISと、対面で商談を進めるFSの分業体制を全国9拠点で推進してきました。

今回は、マーケティング・コミュニケーション部フロントセールスグループ長の田井さま、同グループのメンバー 岡崎さま、佐藤さまの3名にお話をお伺いしました。


ハウスメーカー業界では、ほぼ前例のない挑戦だった

── フロントセールスグループの役割について教えてください。

田井:マーケティングの中のセールス部門、という位置づけです。ブランディングやホームページといった社外へのアプローチよりも、そこから入ってきたお客様の関心を受け止め、アポイントにつなげるまでの領域を担っています。全国の拠点にもフロントセールスという担当者がいるので、全国を統括して教育や仕組みづくりをするのが私たちの役割ですね。

── IS/FS分業という体制を全国9拠点で推進するうえで、どんな難しさがありましたか。

田井:ハウスメーカーでのIS分業は、業界としてまだ事例が少ないんですよね。参照できる正解がない中で、拠点ごとの良い事例・悪い事例を集めて分析し、また試すという繰り返しでした。この1年、A/Bテストをずっと繰り返していた感じです。全国9拠点で同じ基準・同じ仕組みで動けるようにするために、まずデータを揃えることが最初のステップだと感じていました。

マーケティング・コミュニケーション部 フロントセールスグループ長 田井さま


正しい打ち手は、正しい数字に宿る。

── SALESCORE VISUALIZE導入前、どのような課題がありましたか。

田井:Salesforceは会社として使っているんですが、使いこなせていないんです。分かったつもりで分かっていないという状態でした。各拠点に行くと、Salesforceのダッシュボードはあまり使いこなせていなくて、拠点で各自がスプレッドシートを作ってみようということで、二重三重の帳票管理が生まれていました。


岡崎:Salesforceにも集計の機能はあるんですが、私たちが把握したいKPIをすべて一画面で見ようとすると、思ったように表示できなかったり、わかりづらかったりして。それで結局スプレッドシートに転記して確認するという二重管理になっていました。しかもSalesforceは常に数字が更新されるので、転記したスプレッドシートはすぐに古くなってしまう。どの数字が正しいのかが常に曖昧な状態で、各拠点がそれぞれ独自の帳票を作ってしまっていたんです。


── 目標に対する進捗も、可視化できていなかったのでしょうか。

田井:それも大きな課題でした。目標に対してどうなのか、という視点で複数のKPIをまとめて見ることが業務の特性上難しかったんです。拠点ごとの移行率が目標比でどこにいるのかをリアルタイムで横断的に把握できない。課題がありそうとは感じていても、どの拠点のどの段階でつまずいているかを数字で示せない状態が続いていました。


── 本社と現場のすれ違いは、具体的にどんな場面で起きていましたか。

田井:各拠点がそれぞれの帳票を見ていたことによって、同じ目線で会話ができなかったことですね。本社から「ここの数字が足りていないのでは」と指摘しても、「うちの帳票だと目標以上の数字が出ているんですが….」とお互いの意思疎通ができない状態でした。同じ数字を見ていないので、どちらが正しいかもわからない状態です。課題認識がずれているから、打ち手も当然ずれていく、ということが起こっていました。


Salesforceでは見えなかった「つながり」が、一枚の画面に現れた

ー SALESCORE VISUALIZEを最初にご覧になったとき、どんな印象でしたか。

田井:最初に画面を見たときの印象が「見やすい」でした。Salesforceのダッシュボードだとそれぞれが独立してしまって、つながって見えないんですよね。SALESCORE VISUALIZEは柔軟にカスタマイズできるという特性上、自分たちのみたいようにダッシュボードを作れるため、ボトルネックが見やすい。ずっと求めていたものを見つけた、という感覚がありましたね。

岡崎:Salesforceと連動していてリアルタイムで正しい数字が一覧化して見える。ボトルネックを探すとか、要因を探すような分析においても、いい点だと思いました。Salesforceだと部分的なものしか見れないので、各拠点が自分たちに都合のいいように作ってしまう。でも、本社として「これを見てください」というダッシュボードを提示することで、プロセス全体の改善ポイントを一画面で把握できる仕組みになる。それが良かったと思っています。

メンバーごとに獲得したアポイントのフェーズを確認する画面イメージ


拠点の壁を越えた「学び合い」は、同じ数字を見ることから始まった

── 全拠点に同じダッシュボードを展開してみて、拠点の反応はいかがでしたか。

田井:一番感じたのは、拠点間の空気が変わったことですね。全国統一でダッシュボードを見せたことで、お互いの状況が自然と見えるようになった。数字が見えることをみんな嫌がるかと思ったのですが、むしろ改善のために他拠点にノウハウを聞くようになったんです。かつては拠点同士が独立していましたが、今では私たちが介入しなくても、積極的に交流しています。数字が共通言語になったことで、拠点を敵対視するのではなく、より仲間意識が高まったグループになったな、と感じています。


── 数字が細分化されて見えるようになったことで、本社の皆様にも変化はありましたか。

岡崎:以前は、ゴールであるアポイント獲得数だけを見て「あの人はハイパフォーマーだ」という判断しかできなかったんです。でも、アポ獲得に至るまでの一つひとつの行動が数値化されたことで、「この人はアポ率が高い」「この人は送客後の契約率が高い」と、プロセスのどこで強みを発揮しているかが分解して見えるようになりました。結果だけを見ていたときには気づけなかった、一人ひとりの得意領域がわかるようになったんです。

そうすると、メンバーの動き方が変わりました。「この人に全部追いつこう」ではなくて、「この人はアポ率が高いから、そこのやり方だけ聞いてみよう」と、一つの指標に絞って学びに行くようになる。いきなり「あの人の全部を再現しよう」と思ったら何から始めればいいかわからなくなりますが、一つの指標からならできる。聞いた通りに動いて自分の数字が少し変わると、それが小さな成功体験になる。そうなると「じゃあ次は、別の人の契約率の高さを聞いてみよう」と、別の学びに向かいたくなる。

数字が細分化されたことで、一部を真似する → 自分の数字が変わる → また別の人の強みを聞きに行くというルーティーンが、各々で自然と回り始めています。

マーケティング・コミュニケーション部 フロントセールスグループ 岡崎さま


自分の数字が見えたとき、誰も言わなくても動き出した

── 現場の方たちからはどんな声が届いていますか。

佐藤:各拠点のメンバーたちからは、「自分の動きが全部見えるようになった分、程よく気が引き締まる」という声を聞きます。今まで見えなかった行動量(電話の件数やメール送信数)から契約に至る推移が数字で並ぶので、行動が足りているのか、どんなアクションをすれば質が上がるのかということを考えることができる。「あの支社のあの人、アポをこれだけ取っているから、自分も今月あと何件追いつこう」と、自分で目標を見つけて行動できるようになった。数字が全員統一で見えたことで、よりモチベーションが上がっているメンバーは確実に増えています。


── メンバーたちのSFAへの入力意識も変わりましたか。

佐藤:変わりましたね。導入前は、入力をお願いしてもなかなか進まない状態でした。現場からすると、入力したところで何に使われるのか見えないので、作業が増えるだけに感じてしまうんですよね。でも、SALESCORE VISUALIZEで自分の行動量や成果が数字で並ぶようになったことで、入力が「自分のため」に変わりました。

例えば「本来30件実績が出るはずなのに、29件しか出ていないんです」とメンバーから相談が来たことがありました。調べてみると、Salesforceの特定の項目に情報が入っていないことが原因だったんです。そこから「この項目をちゃんと入力しないと、自分の数字が正しく出ない」という気づきが生まれ、ちゃんと入力しようという意識が生まれました。

自分で入力した分だけ、自分の行動が数字で見える。数字を見れば行動を変えたくなり、変えた分だけまた数字が動く。そうやって自ら入力したくなる流れが自然に起きるようになりました。今では、Salesforceと同じくらい見られているシステムになってきた、という感覚があります。


── ISがFSにパスした後の数字も可視化できますが、その点はいかがですか。

佐藤:拠点のISメンバーたちからも、自分がつなげたお客様が実際に契約まで至ったかどうかSALESCOREで追えるようになったことがすごく嬉しいという声を聞きます。契約が確認できたときはモチベーションが上がる、うまくいかなかった案件については「なぜうまくいかなかったのか」「IS側で改善できる部分はないか」を考える。ただ数を追うだけでなく、質を高めていこうという動きが出てきています。

マーケティング・コミュニケーション部 フロントセールスグループ 佐藤さま


1年の変化と、これから

── 1年を振り返って、見えてきた変化とこれから目指す姿を教えてください。

田井:ダッシュボードはここに出すことがゴールじゃないですよね。ここからどう行動が変わるか。車のダッシュボードと一緒で、ガソリンが少ないからガソリンを入れようとか、スピードが出すぎているから控えようとか。それを見て運転が変わる。その感覚が、全国統一でできたのがこの1年なんじゃないかな、と思っています。

岡崎:去年度はちょうど、前任が整えてくれた業務内容を「誰がやっても一定の成果が出る型」にしていく段階に入れた1年でした。SALESCORE VISUALIZEで拠点ごとのボトルネックが可視化されたことで、定量の数字だけではなく定性面も合わせて戦略を考えられるようになった。これから先は、可視化された指標を活かして、現場の改善サイクルをさらに回していきたいと思っています。

佐藤:まだやりたいことが尽きていないですね。ISの動きをもっと見える形にして、FSや他部署にも伝えていきたい。ISって何をやっているのかをデータで示すことができれば、部門を超えた連携にもつながると思っています。FSにパスした後の数字まで含めて、IS全体のパフォーマンスをさらに深く見られるようにして、ただ数を追うだけでなく、案件の質を高めていくISへと進化していきたいと思っています。


SALESCORE VISUALIZEに関するよくある質問

Q1. SALESCORE VISUALIZEとSalesforceの違いは何ですか?

SalesforceはCRMとして各データを管理するツールですが、複数のオブジェクト(データの種類)を一画面で横断して見ることが難しい構造です。SALESCORE VISUALIZEはSalesforceと連動し、アクション数・アポ率・契約率などのプロセスを一枚のダッシュボードに統合してリアルタイムで可視化します。「データを溜める場所」と「プロセス全体を見る場所」として、両方を使い分ける形になります。


Q2. IS/FSの分業体制でない組織でも活用できますか?

はい。プロセスの可視化と行動変容支援は、IS/FS分業に限らず、拠点が複数ある組織や、複数のKPIを横断的に見たい組織全般に対応しています。


Q3. 導入後、現場のメンバーに抵抗はありませんでしたか?

三井ホームの事例では、強制ではなく「数字が見えると入力したくなる」仕組みが自然に機能し、現場の抵抗感よりも自発的な活用が先に広がりました。数字が悪い拠点が改善のために他拠点に聞きに行く文化が生まれるなど、管理ではなく自律的な改善につながっています。


Q4. 複数拠点への展開で、特に重要だったことは何ですか?

全拠点が「同じ定義・同じ指標を見る」環境を整えることです。導入前は拠点ごとに帳票の形式が異なり、アポ率や送客率といった言葉の定義もバラバラでした。SALESCORE VISUALIZEを軸に共通のダッシュボードを設定することで、「移行率」「アポ率」といった指標が全社の共通言語になり、本社と拠点が同じ前提で議論できるようになりました。


Q5. 可視化によって、マネジメントはどう変わりましたか?

以前は「感覚的にここが問題」という会話しかできず、本社と拠点で数字が食い違うことで議論が噛み合わない場面も多くありました。共通のダッシュボードができてからは、「この拠点のこのフェーズで数字が落ちている」という根拠ある対話ができるようになっています。管理から支援へ、指摘から対話へという変化が、データによって生まれています。


同様の課題をお持ちの方へ

 「拠点ごとに帳票がバラバラ」「本社と現場で見ている数字が違う」「KPIの可視化が追いつかない」といった課題をお持ちの営業組織の方は、ぜひお気軽にご相談ください。SALESCORE VISUALIZEの詳細資料のご案内や、導入のご相談を承っています。

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