株式会社ソフトクリエイト

案件状況の見える化によって現状把握の会話がなくなり、具体的な行動計画を議論できる体制を実現

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SIerとしての長年の実績を活かし、IT基盤のコンサルティング、設計・構築、保守・運用までトータルでサポートする株式会社ソフトクリエイト。同社では、営業メンバーの数値意識を高めることを目的にSALESCOREを導入いただきました。(前回のインタビューはこちら

そしてこのたび、SFAのデータを商談や活動ごとにレコード数無制限で、かつ自動的に週次・月次で保存し、変化を比較できるSALESCOREのオプション機能『Data Extension(※)』を新たに導入。

(※)Data Extensionとは、SALESCORE内でSFA/CRMデータのある時点の情報を保存できる「スナップショット機能」と、新たにオブジェクトを作成してデータの蓄積ができる「カスタムオブジェクト機能」を活用できる機能


その背景のひとつとして、「見込みの週ごとの差異、および見込みと着地の間に差異が生じた際に、その差分となる受注や失注がどういった内容であったのかを正しく把握できていなかったことが課題としてあった」と営業本部 富樫様は語ります。

そこで今回は富樫様、そして同じく営業本部の渡邊様、梶山様に、Data Extension導入に至った当時の課題感から導入背景、また導入によってどのような効果や変化があったのか伺いました。

膨大な営業案件がある中、着地見込を正しく把握して的確な意思決定を可能にするためにData Extensionを導入

―― あらためて、今回SALESCOREのオプション機能である『Data Extension』を導入するに至った背景として、どういった課題感をお持ちであったのか教えてください。

富樫:当社は約3,000社ものお客様がいらして、さらに商材数も非常に多くあります。そのため、現場の営業メンバーが抱える案件というのは、提案中のものを含めて非常に多くあるわけですが、加えて案件には営業以外の様々な部門や職種も関わっており、Salesforceの案件情報を更新する者も複数にわたります。

そのような状況下、見通しを報告する会議で着地見込が1億円だと報告をしても、実際の着地は1億1千万円だったりと、見込みと実際の結果に差分が生まれていました。
しかし、当時はスナップショット機能を用いた運用をしておらず、案件数も膨大であったため、そうした差分となる受注や失注がどういった内容であったのかを正しく把握できていなかったことが課題としてありました。

そのため、議論も主観的な意見が飛びがちでしたし、たとえば下期の動きを計画しようにも、営業全体の見通しを正確に把握できていないがゆえに、上期の結果が見えてきてからでないと動けないといったことが起きていました。

渡邊:実はSalesforce導入当初、スナップショット機能も使いたいと考えていたのですが、当時はマスト要件としてはおらず、さらにレコード数の上限や表示の制約があることから、活用していませんでした。そのため、Salesforce上では営業現場の実績数値の可視化はできるものの、先週と今週でどういった差分があるのかといったことが見える化できなかったため、結果的にエクセル上で差分をレポートするような運用になってしまっていました。

しかし、エクセルで管理しようとすると、どうしても入力忘れや入力ミスといったヒューマンエラーが発生してしまいますし、エクセルの場合は差分の数値はわかっても、なぜその差分になったのかといった中身が見れません。
そこで、部長がグループ長に差分の内訳を確認するといったコミュニケーションコストが発生しており、さらにグループ長側でも細かく案件状況を確認するといった工数が発生していたため、生産性向上を図るためにも、システム上で差分を管理・見える化できるようにすべきだろうとなったことが、Data Extension導入を検討するに至った大きなキッカケでした。










株式会社ソフトクリエイト 営業本部 副本部長 富樫様

―― 今回、当社の営業メンバーよりData Extensionをご案内させていただきましたが、どういった点が導入の決め手となったのでしょうか?

富樫:差分をしっかりと見える化して営業組織での意思決定に活かしていくためには、スナップショット自体は早く始めなければいけないと思っていました。また、スナップショットはとり始めたタイミングからしかデータを保管・活用することができません。ちょうど導入検討時は年度の変わり目が迫っており、年度が変わった後の導入では振り返りがしづらくなるからこそ、早めに導入したいと考えていました。

一方で、スナップショットの取得条件を設定する際はSQLが必要であったりするため、当初は「設定が非常に難しそう」というのが率直な感想でした。しかし、SALESCOREはカスタマーサクセスが充実しており、そうした実装から支援いただけるため、スムーズに運用を始められると期待できたことが導入の大きな決め手でした。

梶山:実装フェーズも、サポートというよりも伴走支援という表現が適切で、どういったアウトプットにすべきかを隔週で打ち合わせをしてくださるなど、運用開始まで手厚く支援いただけたことは非常に驚きでしたし、とても助かりました。


数字を根拠とした建設的な議論が可能に。営業活動の見える化によって、チームビルディングにも貢献

―― 現在、どのようにData Extensionをご活用いただいているのか教えてください。

富樫:以前までは着地見込をどこかに入力するという文化がありませんでしたが、現在は各営業部長が部内の案件情報を精査し、着地予想を入力して見込み管理を行っています。
そしてSALESCOREのダッシュボードを活用し、週次で差分を見える化できるようになっています。そのため、部長会を週次で行っているのですが、以前までは主観的な意見が中心であったのに対し、いまでは数字を根拠により建設的な議論が行えるようになりました。












SALESCORE画面イメージ(見込金額の前週比較やステータスに変化がある案件の可視化)

梶山:差分をしっかりと見える化できるようになったことで、変化の率や額が大きいポイントをすぐに発見し、議題に上げることができています。
そうした差分の数字の中で気になったものがあれば、クリックするだけで該当する案件も確認できるため、いままでは「この100万円のズレはなぜ起きているのか」といったコミュニケーションであったのに対し、いまではそれを事前に把握できている状態で、未来に向けたとるべきアクションの見極めと実行計画立案といった具体的なコミュニケーションが行えるようになりました。











SALESCORE画面イメージ(前週から変化が生じた案件詳細の一覧)











株式会社ソフトクリエイト 営業本部 ソリューション営業統括部 SOL第1営業部 部長 梶山様

富樫:本来、細かな数字のチェックというのはマネージャーがやるべき仕事ではないと考えています。しかし、従来の運用ではどうしても、「このズレは何なのか」というコミュニケーションが頻繁に発生してしまっていました。

さらに、パラレルで何十件も案件が走っているため、そうした数値確認のためのコミュニケーションだけでも相当の工数がかかっていましたが、Data Extension導入によってそうした無駄な工数を削減できたことは大きな変化ですし、新たに受注した案件は何か、案件ごとにどういった活動を計画しているのかなど、数字を根拠にしたマネジメントができるようになったことは大きな変化だと実感しています。


―― その他、Data Extension導入によって感じている変化があれば教えてください。

富樫:差分をしっかりとスナップショットで記録して残していけるようになったことで、たとえば半期が締まったタイミングで振り返りを行う際、以前までは定性的な情報しか残っていませんでしたが、いまでは何が要因で好調だったのかなど、根拠ある振り返りが行えるようになりました。

そのため、目標達成したメンバーに対して、はじめから達成見通しが立っている状態で達成したのか、それとも目標が遠い状態からスタートしたものの案件をつくって達成したのかといったことも全員分、容易かつ詳細に把握できるため、「厳しい状況から挽回して、頑張ったね」といった労いの声をかけたりと、チームビルディングにも繋がるメンバーコミュニケーションが行えるようになったことは大きな変化だと感じています。


着地見込の精度が高まったことで、適切な売上予測が可能になり、来期の計画を早めに立案・実行できる体制へ

―― そうした着地見込や実績数値の差分、さらに差分の中身までを即座に見えるようになったことで、営業組織全体への変化は何かありますか?

渡邊:部長会での意思決定のスピードは以前よりも格段に早くなっていると感じています。それは、以前まで発生していた数字を確認するものの、内訳や定性情報が曖昧なコミュニケーションだったものがなくなったということはもちろん、着地見込の精度が高まったことで、適切な売上予測を立てられるようになったことが影響しています。

そして、以前までの上期の終わりに下期の計画を立てるような状態であったのに対し、営業部全体の見通しが立てやすくなったことで、上期の早い段階で下期の計画を立てて実行できるようになりました。 
今後、継続的にData Extensionを活用していくことで、たとえば3年分のデータが取れれば、より精度高い見通しをもとに計画を立てられるため、さらなる営業組織の強化に繋がっていくと期待しています。











株式会社ソフトクリエイト 営業本部 アカウント営業統括部 AC第2営業部 部長 渡邊様

―― 今後、Data Extensionを用いてどのような展望を描かれているのか教えてください。

富樫:現状は部長が部門の着地見込のグロスを入力している運用を取っていますが、今後はメンバー自ら案件単位で入力していき、より細かく案件状況を把握・管理できるような体制を目指していきたいと考えています。

また、現状はようやく着地見込や実績数値の差分が適切に見える化できた状態でしかありません。そのため、たとえば売上カテゴリ別の変動を把握したり、売上達成率の差分を把握することで営業メンバー個別のマネジメントに活かしていくなど、様々な切り口で差分データを活用し、データドリブンな営業マネジメントを実現していきたいと考えています。

梶山:案件フック数や活動数も週次でダッシュボードで振り替えられるようにすれば、若手メンバーのマネジメントにも役立てられます。今後、多角的に様々な差分を見れるようになることで、メンバーの育成や評価にも活かしていければと考えています。


―― どういった企業にSALESCOREのData Extension機能をおすすめしたいですか?

富樫:どの業界であっても、これまでの活動の差分を比較し、次のアクションに繋げていきたいと考えている企業は多いと思います。そのため、営業組織はもちろん、メンバー単位で予算を持ち、KPIを持っている組織には非常に役立つ機能だと思っています。

渡邊:当社がそうであったように、お客様数も案件数も多く、さらに商材も多いとなると、そもそも適切なツールを使わない限り、数値管理には限界があります。その結果、現場は管理を諦めてしまい、会議では終始 “現状把握の会話” だけになってしまいがちです。

特に案件数が少ないうちは、エクセルベースでの管理でも良いかもしれませんが、営業ひとり当たりの案件数が増えたり、人員が増えたりと、膨大な営業数値の管理に悩まれている企業であれば、Data Extensionはおすすめだと思います。
そして現状把握の会話をなくし、次にどういったアクションを起こすべきかと建設的な議論が可能にするのが、Data Extensionだと思っています。


―― 貴重なお話ありがとうございました!